第94回選抜高校野球大会(甲子園)の大会第1日は天候不良のため中止となった。開会式後の第1試合で浦和学院(埼玉)と対戦予定だった大分舞鶴ナインは、中止を前向きにとらえた。

すでに甲子園に到着し、待機していたバスの中で中止の報を聞いた。室内で約2時間、投球練習、打撃練習をこなして球場を引き揚げた。

大会主催者とともにベンチの見学もした。春夏通じて初の甲子園。もちろん初来場の選手ばかりで、特有の雰囲気や高さのあるスタンドに圧倒され「でかいな」「威圧感がある」「重圧を感じる」という声が選手から出たという。

甲斐京司朗主将(3年)は「中止は残念だったが、全員で球場を1度見ることができたのはプラスだと言い合った。中止で緊張がとけたこともあるが、みんないい意味でテンションが上がって、楽しく練習できた。そのままで今日(試合)を迎えていたら浮ついていたと思う」と落ち着いた様子だった。

河室聖司監督(57)は中止を残念がりながら「全校(生徒)が応援に来てくれるので、いい環境でやりたいと思っていた」。

21世紀枠で選出された公立の進学校。日本高野連が指定する対外試合解禁日は5日だったが、県教育委員会の指導により、県内の公立校は第1週に対外試合ができなかった。

10日に関西に移動してから、県の許可を得てようやく12、13日に練習試合ができた。

同監督は「力は明らかに向こうの方が上。ただ食らいついていくだけ。春は実戦を積み重ねたチームが有利。うちは実戦不足が否めない。不安のまま今を迎えています」と心境を語った。【柏原誠】