春季高校野球埼玉大会(23日開幕)の組み合わせ抽選会が19日、上尾市内で行われた。今春センバツ4強入りした浦和学院は、25日の初戦で本庄と対戦する。今大会は有料の有観客で行われ、上限は設けない。16強のチームに、今夏選手権大会県大会のシード権が与えられる。

優勝候補は、浦和学院と花咲徳栄が双璧だ。

センバツ終了後、浦和学院は疲労を考慮し、主力組の練習量を抑える期間を設けてコンディションを調整した。昨年は県内で春、夏、秋とすべて優勝し強さを誇った。20年秋の3回戦・川越東戦(3-4)で敗れて以来、県内では負けなしの20連勝中。八谷晟歩(せいほ)主将(3年)は「県内では負けてはいけない、という覚悟はしっかり持っている。春の段階から、強さを見せつけたい」と力強い。今大会も、エースの“名投手”宮城誇南(こなん)投手(3年)、今秋ドラフト候補の金田優太内野手(3年)と投打の軸は盤石。昨秋からチームを率いる森大監督(31)は「春季大会から1年生もベンチ入りする予定です。主力と新しい選手とで、切磋琢磨(せっさたくま)していければ」とさらなる活性化を促す。

昨秋の県大会準優勝の花咲徳栄は、エース金子翔柾(しょうま)投手(3年)の復活に期待がかかる。昨秋の関東大会1回戦東海大相模戦では、試合直前に腰を痛めて本来の投球ができずに敗れた。慎重にリハビリを重ね、オフを経てフィジカル面ではパワーアップした。練習試合では打ち勝つ内容も多く、関東大会後から主将となった山口祥吾内野手(3年)は「打撃は練習を重ねてきて、チーム全体でレベルアップしました。目標は優勝ですが、まずは目の前の試合をしっかり勝っていきたい」と意気込む。

強豪私学に割って入るのが、古豪・上尾だ。昨秋県大会では、準決勝で浦和学院に2-3と接戦だった。伝統の投手力は、左腕の倉持輝喜投手(3年)と右サイドの川口翔太朗投手(3年)を中心に枚数がそろっている。中学時代に日本代表も経験する金丸健司主将(3年)は主軸でもあり、捕手としてチーム全体をけん引。総合力で頂点を狙う。

昨秋県大会の4強、聖望学園は守りからリズムを作るスタイル。3番を任される上石航大主将(3年)は勝負強い打撃が持ち味だ。「まずは守りから流れをつくって、目の前の1勝ずつ重ねていきたい」と見据える。

決勝は5月4日、大宮公園野球場で行われる。優勝校、準優勝校は春季関東大会(5月21~29日、栃木県)に出場する。