札幌地区は札幌南が、定時制在籍の大沢天馬(2年)の4回自責ゼロのデビュー戦好投で札幌白石に11-4で快勝した。

札幌南の背番号5、大沢天馬投手が公式戦初登板初先発で堂々デビューを飾った。1番投手で先発。4回66球3安打2失点(自責0)に「緊張より楽しみの方が強かった。浮き球が多かったけど、走者がたまったところで出力を上げて、抑えられたのはよかった」と話した。

20年春に札幌市内の私立高に入学したが、環境になじめず秋に退学した。2つ上の兄楽汰(るんた)さんが札幌南に通っていたこともあり昨春同校の定時制に編入学。だが転入生は1年間公式戦に出場できないという規定があり、さらに全日制の生徒たちとは授業時間もすれ違う。一緒にできる練習時間も少なく、1人で行う自主練習を重ねた。夕方5時から始まる授業前に1日約4時間、ビニールハウスの練習場にこもって黙々と汗を流した。「うまくなりたい。野球が楽しいから、そこまで苦ではなかった」と振り返る。

この日4安打と活躍した生部漣次郎遊撃手(3年)は「努力している姿を誰もが見てきているから、信頼して1番打者を任せられるし、プレー面で引っ張ってくれる大きな存在」と認める。00年夏に主将として甲子園に出場した田畑広樹監督(39)は「1年間我慢した中で先発を務めてよくやってくれた」とたたえた。大沢は「投打で活躍したい」と次の北海戦でも練習の成果を披露する。【山崎純一】

◆転入生の参加資格 高野連の大会参加者資格規定では、転入した日から満1年を経過すれば参加可能になる。なお、学区制の変更、学校の統廃合、一家転住など、やむを得ず転入したと高野連の承認を得た場合や前在籍校で野球部員として登録されていなかった場合は転入した日から参加資格が認められる。1年時に中退し、翌年改めて1年生として入学した場合は在籍2年目とみなされ、編入3年時には資格を失う。この場合2年時の秋季大会と翌年の選抜大会までの参加資格となる。また、定時制の生徒も全日制の部に加わることができる。