札幌地区では08年以来14年ぶりの南大会出場を狙う江別が、札幌東豊を9-0の7回コールドで下し夏は3年ぶりの勝利を飾った。就任1年目でこの日、50歳の誕生日を迎えた駒谷久志監督に、白星をプレゼントした。次戦は昨夏甲子園出場の強豪北海と対戦する。

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江別ナインが3年ぶりの夏1勝をつかんだ。昨年まで部長を務め、今春から新たに就任した駒谷監督はこの日が50歳の誕生日。松本浩稀主将(3年)は「実は知らなかったです…」と目を丸くし驚いたが、その後すぐに「誕生日に勝てたというのはすごくうれしい」と喜んだ。指揮官も「本当に自分にとって最高の誕生日プレゼントになりました。選手、マネジャー含めて部員に感謝したいと思います」と照れ笑いした。

序盤から試合の主導権を握った。1回に2連続四球からチャンスを広げ、犠打で1死二、三塁。4番中川進之介捕手(3年)の右犠飛と岩田和也一塁手(3年)の右前適時打で2点を先制した。2回には5長短打で4点を追加し、12安打9得点の猛攻で札幌東豊を圧倒した。

投げては公式戦初先発した背番号11の右腕、高橋拳太投手(2年)が試合をつくった。緩急を使って打たせて取る投球で、4回を無安打無失点。「初回の入りはすごく緊張したけど、その後はうまく修正してストライク先行で投げることができた」とほっとした表情を浮かべた。

この日は両チームともに全校応援で、江別は円山に駆けつけた約800人の生徒たちから応援を受けた。松本は「力になったし、勝てたのは応援のおかげ」。目指すは14年ぶりの南大会切符。30日の2回戦は昨夏甲子園出場の北海と激突する。地区突破へ最大のヤマ場に松本は「チーム全員で当たって砕けろくらいの気持ちで本気で戦いたい」と気合をみなぎらせた。【山崎純一】