第5シードの常葉大橘は、主将の戒能大翔(かいのう・はると)遊撃手(3年)が「6年間」の集大成を見せる。同校中等部出身で、内野の要としてチームをけん引。「泥くさいプレーが僕の武器」と、必死にボールに食らいつくプレーでチームを盛り上げている。

昨年までは、公式戦で1度もメンバーに入れなかった。それでも、主将に立候補した。「自分が先頭に立って強い橘を取り戻したかった」。戒能を含む3人が主将候補に挙がり、全部員による投票で決定。戒能は「選ばれて正直ビックリしたけれど、責任感はより強くなった」。

心掛けたのは、自身の行動でチームを引っ張ること。練習では誰よりも早くグラウンドに到着して、準備などの雑用も率先して行う。練習中は常に声を張り上げ、チームを鼓舞。盛り上げ役も担っている。堅実な守備も特徴の1つで、「守りからリズムをつくれる選手でありたい」と力を込める。

今春は、目標にしていた3年ぶりのシード権を獲得。チームの課題に挙がった打撃力を強化して夏を迎える。初戦の2回戦は、星陵対清水桜が丘の勝者と対する。戒能は「橘らしい攻めの野球を見せて優勝したい」と、10年ぶりの甲子園出場を見据えた。【神谷亮磨】

◆常葉大橘 1963年創部。昨年から公式戦に出場している望月琉投手と古屋捕手のバッテリーが軸になる。望月琉は直球主体で押す本格派。攻めの投球で引っ張る。控えの山内と土屋も球威で勝負する。打撃は4番の松田が中心。パンチ力を武器に1発も狙える。走塁も絡めた「攻撃野球」がモットー。今春の大会以降は、打撃力アップを目指して調整してきた。チームは夏の甲子園に2009、10、12年に出場。センバツ出場歴はない。