センバツ優勝校の大阪桐蔭が猛暑の戦いで高知を圧倒した。

大阪・大東市内で練習試合を行ったが、午前9時半過ぎの試合開始時から気温は30度超え。それでもナインが躍動した。3回、伊藤櫂人内野手(3年)が右翼に先制アーチ。5回はプロ注目の松尾汐恩捕手(3年)が左中間を破る勝ち越し適時二塁打を放つ。6回は6安打を集中して6得点。疾風のような攻撃で、勝利を決めた。

試合後、星子天真主将(3年)は涼しげに言った。「最近、厚着でやっていた。暑いですけど、そこまで…。周りが言うほどではない」。5月下旬から6週間の強化練習を実施。西谷浩一監督(52)は「6週やったのは2018年以来。今年もかなり暑い夏になる。その準備は、してきています」と話した。約30分のウオーミングアップで選手はグラウンドコートを着て大粒の汗を流しながら動いた。

左腕の前田悠伍投手(2年)はこの日登板しなかったが、過酷メニューを消化し「下半身がへばる中で耐え抜く力を出さないと、この夏も厳しい」と胸を張った。5月は春季近畿大会決勝で智弁和歌山に敗れ、公式戦29連勝で止まった。18年以来、3度目の甲子園春夏連覇に挑む。名将は「険しい角度を、どれだけ登っていけるか。まず大阪をしっかり勝ちきって、大きな目標に挑戦できるように」と語気を強めた。【酒井俊作】