苦しみながらも、ひとりで投げぬいた。飯塚のプロ注目で最速146キロ右腕のエース白浜快起投手(3年)が、今夏初登板で2失点の完投。被安打13に「つらいことしかなかった」と顔をしかめたが、191センチの長身を生かした直球で要所を締め、古豪の小倉に競り勝って4回戦進出に貢献した。

実は、2回以降は右手中指に血マメができていた。手負いの状態でマウンドに立ち「直球は全然だめでした」。それでもこの日の最速は143キロ。プロ9球団のスカウトが見つめる中で粘りの投球を見せた。白浜は「それ(粘り)が一番の大きな収穫。夏は気持ちだと思っている」と、次戦に向けて気合を入れた。

誕生日はエンゼルス大谷翔平投手と同じ7月5日。「うれしいですし、憧れます」。この日は6番打者として出場し、5回に左翼への二塁打。4回には「けん制はないと判断したので」と、投手が投球動作を行う前に盗塁を仕掛けるディレードスチールを成功させた。大谷のごとく、攻撃面でも貴重な役割を果たした。

今春には部内暴力の不祥事が発覚。約1カ月、対外試合の禁止が課せられた。飯塚にとっては汚名返上としたい夏だ。10年ぶりの福岡制覇へ、白浜は「一丸となって戦っていきたい」と引き締めた。【只松憲】

◆白浜快起(しらはま・かいき)2004年(平16)7月5日、広島県呉市生まれ。広小2年から「横路若虎」でソフトボールを始める。小6で身長は183センチに達していた。広中央中では軟式野球部に所属。飯塚では1年秋からベンチ入り。191センチ、83キロ。右投げ右打ち。

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