今春センバツ出場の明秀学園日立が、2本塁打を含む9安打10得点の5回コールドで勝利した。昨秋からの県3季連続優勝、同校初の夏の甲子園へ好発進した。

初戦から選手層の厚さを見せつけた。2回に4点先制し、迎えた3回2死三塁。打席には春の県大会からベンチ入りした柴晴蒼内野手(2年)。「めちゃくちゃ緊張していました」と言う柴は大きく息をつき、初球のインコース高めの真っすぐを振り抜いた。打球は真っすぐレフトスタンドへ。2ラン本塁打で点差を広げた。

柴 バンッと打ったら、打球が見えなくって。え? どこ行った? おぉ~入った~って(笑い)。正直、自分でもビックリでした。なんか、今でもふわふわしてます。

悔しさが、柴を急成長させた。センバツではボールボーイを務めたが「頑張って欲しいと思う半面、やっぱり悔しかった」と振り返る。振り込みの量を増やし、強打者がそろうチームで右の巧打者として下位打線に厚みをつけるため、ベンチ入りを勝ち取った。本人も戸惑う公式戦初本塁打でチームに勢いをつけた。

投げては石川ケニー外野手が先発し、4回を投げ2安打無失点。5回からエース猪俣駿太投手がマウンドへ上がると、1安打2四死球ながらも粘り強い投球で無失点に抑え、完封リレーで試合を締めた。

金沢成奉監督(55)は「打線は好調を維持していたので。投手陣に力みが目立ち本来ではなかった。もう少し、やって欲しい」と、コールド勝利にも次戦へ向け気を引き締めた。