昨夏の王者・智弁和歌山が初戦を突破。7-0のコールドゲームで、傘を差しながら見守る観客の期待に応えた。

初回、3者連続四球で1死満塁となるも、2三振で得点には結びつかず。3回に山口滉起外野手(3年)が本塁打を放ったが、5回終了時点で1-0。苦しい立ち上がりとなった。

それでも、6回に多田羅浩大外野手(2年)の適時打などで3点を追加。その後も着々と得点を重ね、勝利をつかんだ。

“得点5点以上、失点3点以内”のチーム目標を達成した。エース・塩路柊季投手(3年)は6回まで投げて無失点の好成績だが「今回のピッチングは50点ですね。まっすぐが決まらなかった」と厳しい。

そんなエース右腕は1、2週間前まで調子を崩していたという。

「(夏の大会前で)体が全然動かなくなってしまって。監督に『休め』と言われて(投球練習を)1週間休みました。(その間は)キャッチボールとランニングだけして上がらせてもらうという感じで」と振り返る。

これまで体が動かなくなった経験はなかった。

「休んでいるときは『みんなやってるのにやりたい』とか『(背番号)1番くれてんのにこんなんでどうするんや』と思ってました」と苦労を明かした。

それでも、休んだおかげで体をリフレッシュでき、調子も取り戻してきた。

最後の夏を迎えるエースが今、心に刻んでいる言葉は「何にでも素直に取り組む」。何をやりたいか、どうなりたいかを常に考え、目標を達成するため突き進む。

本調子ではない塩路を見てきた中谷仁監督(43)も、この日の塩路の投球に「まあまあの出来。これから上がってくれると思う」と期待をかけた。

智弁和歌山は、春夏甲子園で過去4度の優勝を誇る名門校。夏連覇に向けて、県制覇に突き進む。

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