聖光学院が東日本国際大昌平の最速151キロ右腕、草野陽斗(3年)を攻略し、3年ぶりとなる決勝進出を決めた。

聖光学院は0-0の2回2死三塁、7番伊藤遥喜内野手(3年)が一、二塁間を破る先制適時打を放った。3球で追い込まれるも、5球ファウルで粘り、カウント2-2からの10球目。147キロ直球をはじき返した。3回には2死二、三塁から4番三好元気外野手(2年)の右前適時打で2点を追加するなど、この回4点を奪った。しぶとい攻撃で、4安打5得点で最速151キロ右腕を3回途中でKOした。伊藤は「みんなでつくってくれたチャンスにベストスイングをしようと。飛んだコースが良かったです」と振り返った。

先発した背番号「10」、左腕・小林剛介投手(3年)が8回を投げ散発4安打無失点の好投。最速130キロ台直球に変化球を織り交ぜながら、緩急を駆使した。奪った三振は0。味方のバックを信じて打たせて取り、三塁すら踏ませない内容だった。「(先発)マウンドを託されたからには、自分がチームを負けさせない思いだった」。6-0で迎えた最終回には、エース佐山未来投手(3年)が2番手で登板。最速142キロ直球を軸に左飛、一飛、左飛と打者3人で締めた。

昨夏は準々決勝で光南に敗れ、戦前の和歌山中(現桐蔭)に並ぶ歴代最多タイの14大会連続甲子園出場を逃し、一昨年の独自大会を含む夏の福島大会連勝記録も「87」でストップした。現チームは、昨秋から県内公式戦負けなし「15」連勝。3季連続優勝、3年ぶりの甲子園返り咲きへ王手をかけた。決勝は27日、光南と田村の勝者と戦う。赤堀颯主将(3年)は「苦しい展開になることは分かっている。自分たちの野球を貫いていきたい」と言葉に力を込めた。