全国高校野球選手権に出場した日本文理の新チームが12日、本格始動した。午前、午後の2グループに分かれて練習。中心になるのは右腕・高橋史佳投手(2年)だ。甲子園では0-11で敗れた海星(長崎)との1回戦で、4番左翼手でスタメン出場。7回からは2番手で登板し、自己最速タイの146キロをマークした。今秋のドラフト候補、田中晴也投手(3年)の後を継いで投打の中心でチームをけん引することを宣言。来春のセンバツ出場を最初のターゲットにした。

高橋は覚悟を言葉にした。「秋季県大会(9月8日開幕)まで1カ月を切った。若いチームだけど頑張っていく」。投球を安定させるため、フォームを固めて制球力を磨くことが最初の課題。「ただ、制球を気にして球の勢いをなくさないように、出力を上げるトレーニングもする」と秋に向けてレベルアップを図る。

9日に甲子園から戻り、田中から「お前が引っ張らなきゃいけないよ」と言われた。1年生だった昨夏も甲子園でベンチ入りしている。期待の大きさに高橋も「どんどん自分を出していく」と自覚がある。今春から4番左翼手だったが、新チームでは「投手でいく」と田中から背番号1を受け継ぐ意志をあらわにした。打撃でも「クリーンアップを打ちたい」。3番に座った田中と同様に投打の軸になることを意識する。

0-11で敗れた甲子園の海星戦は田中の後を受けて7回から2番手で登板。2/3回で3失点と全国の洗礼を浴びた。それでも140キロ台の速球で押し、自己最速タイの146キロも記録。「力んでしまった」と反省する一方、「球そのものは悪くなかった」と手応えもあった。

春先に右肩を痛めて練習試合は数試合しか投げられなかった。甲子園初登板は高校デビューだった昨夏の新潟大会準決勝の新潟明訓戦以来、379日ぶりの公式戦登板だった。新潟明訓戦ではいきなり146キロを出した。当時のようなインパクトを、ほぼぶっつけ本番だった甲子園でも残してきた。

来春のセンバツ出場がかかる秋季北信越大会(10月15日開幕)は新潟で開催される。県勢は14年の日本文理を最後に甲子園から遠ざかる。高橋は「自分たちの代でセンバツに出る」。そして「夏も(新潟大会を)連覇する」。日本文理のマウンドを守る先に、大きな目標を見据えた。【斎藤慎一郎】

<高地が正捕手候補>

今夏初めて甲子園でベンチ入りした新チームの正捕手候補、高地隼都(たかち・はやと)捕手(2年)は「海星の打者は浮いた球をとらえていた。低めでアウトを取っていかないと」と甲子園で目にしたことを秋のテーマにした。主将だった竹野聖智捕手(3年)からは「捕手は扇の要として見られている。きびきびしたプレーをするように」とアドバイスされた。「(高橋)史佳とこれから配球などについて話したい」。