第104回全国高校野球選手権は17日、休養日を迎えた。18日は、準々決勝4試合が組まれている。特に注目は高校通算66本塁打の高松商浅野翔吾外野手(3年)を擁する高松商(香川)と甲子園10勝の山田陽翔(はると)投手(3年)が軸の近江(滋賀)の一戦だ。

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待ち望んだ対決が実現する。浅野は、山田との約束に闘志を燃やした。「開会式で『対戦したいな』と話したんです」。2人はSNSで連絡を取り合う仲。昨夏の甲子園、今春のセンバツで活躍した山田は気になる存在だった。「山田君は世代NO・1投手」と認めるが、「負けたくない」と、1歩も引く気はない。

17日は雨でグラウンドでの練習は中止になったが、宿舎内の広いスペースで軽く体を動かし、調整にあてた。「自分のフォームで、冷静にボール球を振らない。ストライクを振ると徹底したい」と最終確認。甘い球を見逃さず、一発で仕留めるつもりだ。

山田攻略の自信がある。高1秋の四国大会で高知・森木大智(現阪神)と対戦。3安打を放ち、チームも勝利した。最速150キロ台の右腕から結果を残した自信を胸に「速球には無駄な力が入らず、スムーズにバットが出ると思います」と、イメージもバッチリだ。

15日、3回戦終了後に宿舎でうとうとしていた時だった。目が覚めた瞬間、テレビからの大歓声が耳に入った。海星-近江戦、山田が満塁弾を打った瞬間だった。「さすが…」。浅野の闘志に火がついた。負けるわけにはいかない。「勝負が楽しみ。自分も絶対に打ちます」と胸を躍らせる。