九州学院(熊本)が初の4強入りを逃した。初回に1点を先制した直後、5失点。4回にも4失点と主導権を握られ、聖光学院(福島)に打ち負けた。ヤクルト村上宗隆の弟で、4番の村上慶太内野手(3年)は4打数無安打。第3、第4打席は得点圏で内野ゴロに倒れた。「本当に悔しい気持ちでいっぱいです。自分が4番を打たせてもらってるにも関わらず、チャンスで打てなかった」と涙を流した。

最初で最後の甲子園は12打数3安打1打点だった。「本当に最高の舞台だった。ヒットが打てたのはうれしいし、ベスト8にもこられた。全国で通用するところもあったなと」。今後の進路については「これから考えます」と話すにとどめたが、「上の世界で勝負したい。日本を代表するバッターになりたいです」とプロ志望も視野に入れていく。

兄の宗隆からは、熊本大会の初戦から激励メッセージをもらってきた。気合の入る音楽も教えてくれた。バッティンググローブや練習着、ヤクルトの公式タオルなどおさがりももらってきた。「ムネニイ」と慕う兄は「とてもかわいがってもらいました」と感謝している。「いろんな道具をくれたので結果で恩返ししたかったけど、できなかった。本当に悔しいです」。兄の話に及ぶと、再び涙が出てきた。

試合後は2年生エースの直江新に「お前は来年がある。必ず甲子園に戻ってベスト4にいけよ」と声をかけた。190センチの体で175センチの直江を包み込み、頭をポンとたたいた。後輩に夢を託し、村上慶は次のステージに進む。【只松憲】