室蘭地区で、苫小牧中央が室蘭栄を6-1で下し、2年連続の全道大会進出へ王手をかけた。公式戦初登板初先発の斎藤陸玖投手(2年)が、6回4安打無四球1失点と好投。攻撃でもバント安打でチャンスメークするなど、投打で勝利に貢献した。スタンドではドラフト候補右腕の前エース斉藤優汰(3年)が応援。斉藤の後押しで、斎藤が奮闘した。

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公式戦初マウンドにも動じることはなかった。苫小牧中央・斎藤陸は初回3者凡退でスタート。3回に1点を失うも外野への安打は、この回の2本のみ。得意のスライダーを武器に、6回6奪三振1失点とチームを波に乗せ「ピンチで1点で止められたのが良かった。流れをつくれて良かった」と淡々と振り返った。

スタンドでは今夏、チームを11年ぶり南北海道大会4強に導いた、あこがれの「サイトウさん」がいた。「何とか後輩に勝ってほしかった」と前エースでプロ志望届を提出している斉藤が跳びはねながら応援。斎藤陸は「同じ名前に恥じない投球ができて良かった。先輩の応援が力になった」と感謝した。

夏まで斉藤とともに筋力強化。「下半身にしっかり体重を乗せるように」と助言を受け、フォーム調整。「斉藤さんの投げ方を見て学んだので、しっかり右足に体重を乗せて投げられた」と効果を口にした。

苫小牧中央から初めてプロ入りした日本ハム根本を育てた渡辺宏禎監督(54)の指導を求め進学も、1年夏に右肩を痛め、本格的な投球練習再開は今春から。札幌北辰中時代に札幌選抜に選ばれたこともあり、渡辺監督は「ポテンシャルはもっとある。まだ怖がりながら投げている」と、さらなる進化を期待した。

投手陣は初戦で登板した左腕の山田琉嘉、右の斎藤英翔、久保田直樹(いずれも2年)と斎藤陸の4人がベンチ入り。渡辺監督は「だれがエースでもない。みんなで力を合わせてくれたら」。激しいチーム内競争を、進撃のエネルギーに変える。【永野高輔】