常磐大高が、後半の逆転で06年以来、2回目の関東大会出場を決めた。

1-2で迎えた6回、2死満塁から、打席に向かう先発の山口竜生投手(2年)に海老沢芳雅監督(61)がつぶやいた。「絶対に真っすぐを狙え」。その言葉通り、山口はアウトコースの真っすぐを捉え、右前に運び2者生還。逆転に成功した。

山口は投げても6回0/3を投げ6安打2失点。「今日は全体的に球が浮いていたが、その中でも、自分の投球ができて良かった」。スライダーで空振りをとるなど、制球良く変化球を投げ分け、打ち取った。

守備からリズムを作る。常磐大高の野球を徹底した。6回には、無死一、二塁のピンチにも、二直での併殺から残った一塁走者がベースを離れている間に、投手から一塁へとボールが渡りタッチアウト。三重殺で切り抜け、堅い守りで投手陣をもり立てた。9回には1点差に詰め寄られるも、2番手の仲田瞬投手(2年)が粘り強く投球し逃げ切った。

初のセンバツ出場へ向け、関東大会を勝ち抜く準備はできている。山口は「関東大会に出場してセンバツに行くのが目標。明後日の決勝も勝って、いい組み合わせで(関東大会に)行きたい」と、意気込んだ。「気持ちでは絶対に負けない」。笑顔の陰に、強気な一面をのぞかせた。