函館大柏稜が札幌龍谷学園を8-6で下し、秋は初の4強入りを決めた。3回に一挙5点を挙げるなど、打線が13安打と爆発。野村直毅監督(30)が、昨年春の就任直後に取り入れた地下足袋を使った練習の効果を発揮し勝利につなげた。準決勝は9日、決勝は10日に札幌円山で行われる。

函館大柏稜が打撃戦を制し、初の秋全道4強入りを決めた。13安打8得点で勝利。両チーム合わせて27安打で、中盤から終盤にかけては相手の反撃を受けたが2点差で振り切った。野村監督は「苦しいゲームでした。シーソーゲームになるから、我慢強くやろうと話をしていた」と試合後、胸をなで下ろした。

3回の攻撃で打線がつながった。7番本間晴遊撃手(1年)が三塁内野安打で出塁。1死満塁とチャンスを広げ、2番体阿彌(たいあみ)恒樹左翼手(2年)が左前に先制の2点適時打を放つなど、この回一挙5得点を挙げた。6-5と1点差に迫られた8回には、代打山本拓哉外野手(2年)が中越えに適時二塁打、1番西村澪央翔(れおと)主将(2年)にも適時打が飛び出し点差を広げた。西村主将は「勢いに乗ることができた」とうなずいた。

練習の成果が全道の舞台で発揮された。昨年4月、野村監督の就任直後から地下足袋を使用した練習が始まった。この練習は同監督が函館大有斗時代に経験しているもので、足の指や足の裏全体で地面をつかむ感覚などを養う。練習中スパイクやシューズは一切履かず打撃練習やノックなどを行う。「最初の1カ月、2カ月はみんな足を痛がる。でも段々慣れたら普通にやっている」と同監督。西村主将は「最初の方は足がきついけど、慣れてくればスパイクを履いても同じようにできる」と、攻守に効果を実感している。

野村監督は選手時代に秋全道ベスト4を経験。97年創部のチームも、瀬渕一清部長(26)が選手だった13年夏に4強入りこそしているが、決勝進出への壁はいまだ破れずにいる。準決勝は、今夏の南北海道大会1回戦で敗れた北海と対戦する。西村主将は「チーム一丸となって戦いたい」。リベンジへ舞台は整った。【山崎純一】

◆函館大柏稜の道大会成績 出場回数は春1、夏7、秋8度。3季通じて4強入りは13年夏の1度のみ。1回戦で札幌琴似工を4-0で下し、準々決勝で東海大四を5-4で撃破。準決勝で北照に2-5で敗れたが、97年創部で初の道大会4強入りだった。

●3年ぶりの秋全道4強進出に届かなかった札幌龍谷学園・内海耀介主将(2年) 支部大会から相手にリードされる場面が少なくて、負けている場面での気持ちの持っていき方がよくなかった。気持ちの保ち方をチームとしてしっかりつくっていきたい。

●安打数で相手を上回りながらも、2点差で敗れた札幌龍谷学園・寺西直貴監督(52) 力がなかったですね。(課題が)山積みです。冬頑張ります。