大阪桐蔭(近畿)が最大5点差をひっくり返し、広陵(中国・広島)に6-5で勝利。史上初の連覇を成し遂げた。前夜のサッカーW杯になぞらえて、交代メンバーを勝負のカギにした西谷浩一監督(53)の采配が光った。

明大(東京6大学)は、中日ドラフト2位の村松開人主将(4年=静岡)が決勝のホームを踏み、1-0で国学院大(東都大学)に勝利。16年以来6年ぶり7度目の優勝。最多優勝記録を更新した。

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W杯で歓喜に沸いた前夜。大阪桐蔭・西谷監督も宿舎でテレビにかじりついた。巧みな選手交代が奏功して逆転した日本を見て、感じるものがあった。コーチらと「ベンチにいる選手がいい準備をしてほしいね」という会話を交わした。

「後半から出た選手が活躍した。競技は違うけど野球もそういうことが大事。今日はレギュラー2人を先発から外していた。総力戦ということで」。2日前に161球を投げていたエース前田悠伍投手(2年)も先発させないことを決めていた。用兵がカギだった。

日本と同じくらい苦しい展開。南恒誠投手(2年)は制球に苦しみ、2回に連続の適時失策などで3失点。南陽人投手(1年)が真鍋に2ランを浴びてワンサイドになりかけた。それを一変させたのが5回。日光などで左翼手が何度も飛球への目測を誤った。「この球場は難しい。でも、そこにうまく乗っていけた」。隙を逃さず、一気に5得点で同点。6回に勝ち越すと、満を持して登場の前田が残り4回を抑えた。

「完全な負けゲームで粘り強く戦えた。勝ち切れたことは大きな財産」。圧倒的な強さを示すタイトルとはひと味違う手応えが残ったようだ。【柏原誠】

▽大阪桐蔭・前田(主将として最初の全国制覇) 1人1人に全力で投げ込めました。目標だった秋の日本一を達成できた。冬に作り直して、もう1段階上がっていきたい。

大阪桐蔭が広陵を逆転で破り史上初の大会連覇 大学の部は明大が6年ぶり7度目V/詳細