日米通算4367安打のイチロー氏(49=マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)が4日、先月の都新宿に続く今年2校目となる富士(静岡)で、2日続けて野球部員を指導した。

1日目のケース打撃では、一塁走者の後ろで、リードの取り方、帰塁の方法を実践して見せた。選手から「盗塁の時に何を意識していますか?」と質問されると、日米通算708盗塁を誇るイチロー氏は「リードを大きくとれるからと言って、大きくはとらない。それがコツ」とポイントを挙げた。「盗塁する時は、戻る(帰塁する)気持ちはなくしておきたい。けん制されても戻れるという距離を測っていたら、100パーセント(不安のない気持ち)で走れる」と、アドバイスした。

選手たちの動きを1人1人細かく注視。足を交差させながらリードをとる選手には声をかけ、「この体勢(足をクロスしてリードをとる姿勢)、怖くない? その瞬間はない方がいい。僕はしないんだけど、絶対」と提案。クロスステップでのリードのリスクを、稲木恵介監督(43)にも説明。「うまい投手はすぐに見抜きますからね。この(けん制死での)1アウトは絶対に取らしたくないですからね」とポイントに挙げた。

また二塁から本塁へのベースランニングでは、イチロー氏自らが実践。「きれいに見えていたならOKです。バタバタしていたらどこかがダメです。(走る時に)手は前に振らないでほしい。手は後ろで振る。そのことを頭に入れて。第2リードは、(中腰の姿勢で、飛び跳ねず、静かに)イチ、ニ(歩)。これぐらいのイメージです」と、走り方の基本など体の使い方を指導した。

最後は、選手たちの前で「一発、声を出していこうか? よっしゃーって」と大きな声。「これぐらいの感じ。声を出したら気持ちよくない? 筋肉も萎縮しない。そういう時間をつくると効果的」。ただ走るだけでなく、気持ちを前面に出すことで、勢いがつくこともポイントとして実践して見せた。