パドレスとマイナー契約を結んだ常総学院の最速154キロ右腕・バルザー・ジョセフ・ブライアン投手(3年)が13日、茨城・土浦市内の同校で、上園啓史スカウトとともに報告会を行った。ブライアンは「僕は、自分を信じている。できないことはないと思っています。これからは努力と自信をもって、ダルビッシュ選手と同じ舞台に立てるチャンスがあるように、頑張ります」と、表情を引き締めた。

アメリカ人の父を持ち、身長182センチ、81キロの恵まれた体から繰り出される力強い速球が武器だ。高校2年9月から投手に転向。右肘を痛めて公式戦登板はわずか1イニングも、昨年はNPBからも注目され、プロ志望届を提出していた。「指名漏れをして、どうしようかな…と思っていた時に、話をいただいた。もしかしたらチャンスかもしれない。落ち込んでいる暇はないと思いました」。

新たな夢へ向け、前を向いた。昨年11月3日には右肘のトミージョン手術を受け、12月上旬にはギプスもとれ、現在はリハビリ中。渡米後は、本格的なリハビリが始まる。「成功できるように、しっかりとチャンスをつかみたいと思います」と意気込んだ。

「一番楽しんだヤツが一番強い」。小さいころから、父から言われてきた大好きな言葉だ。テレビで見た二刀流・大谷翔平がいつも楽しそうにプレーしている姿に憧れた。「僕も、あの舞台で楽しくプレーをしたい」。日本の高校野球で、チーム全員で勝利する楽しさを覚えた。次は、自分の力で勝利をつかみ笑顔を見せる。

「メジャーから声をかけてもらうのはなかなかない。日本以上に厳しい世界。でも、ここが勝負。厳しい方に行って絶対に成功しよう、と気持ちを決め、すぐに『行きます』と返事をしました。全く後悔はありません。アメリカに行くからには、世界一の投手を目指します」と決意を固くした。明日14日には渡米。いよいよ夢への第1歩を踏み出す。【保坂淑子】