高校野球の対外試合が4日、全国で一斉に解禁され、各地で練習試合が行われた。第95回選抜高校野球大会(18日開幕)に2年ぶりに出場する専大松戸(千葉)は、同校グラウンドで関東学園大付(群馬)と対戦し、15-1で快勝した。今大会最速の151キロ右腕・平野大地投手(2年)は8回から登板し、2回無失点と好救援。センバツに向けて好発進した。

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春の暖かな日差しを浴びながら、平野は堂々と秋からの成長ぶりを発揮した。13-1で迎えた8回。3番手としてマウンドに上がると、この冬に磨いたスライダーで2つの空振り三振と右飛で3者凡退。9回は、2者連続で直球を捉えられ、2者連続安打と四球で無死満塁のピンチを招いた。

ここから一気にギアを上げた。直球とスライダーで2者連続三振。最後の打者を投ゴロに打ち取り無失点で終えた。3球団3人のスカウトが見守る前で、2回を2安打4奪三振。最速は146キロだった。

この冬は変化球の精度と制球力にこだわり、下半身強化と股関節、肩甲骨周りの柔軟に力を入れてきた。奪った3つの三振はスライダーで「真っすぐに近いスピードで投げられるように取り組んできた。秋よりもいい感覚。もっとコースに決めたい」と貪欲。ソフトバンクの福元スカウトは「スライダーが良かった。テンポもいいし、変化球がいいのが一番。これから球威も上がってくるでしょう。センバツが楽しみ」と期待した。

球速に注目が集まる中でも「制球力で、要所でギアを上げる投球」でチームを勝利に導く。これもエースの自覚の表れだ。「ボールの質にこだわって状態をあげていきたい」。大会ナンバーワン右腕の呼び声が高い平野が、元気よく走り出した。【保坂淑子】