紆余(うよ)曲折を経て「最初で最後の夏」にたどり着いた。1年時に東海大相模(神奈川)から東海大熊本星翔に編入し、高校通算38本塁打を数える百崎蒼生(あおい)内野手(3年)は、2打数無安打、2四球だった。鹿本との初戦に「3番遊撃」で出場。1年秋以来となる公式戦で、10球団のスカウトから熱視線を浴びた。「緊張で昨日から全然寝れなくて。足も全然動かなかった。でもチームが勝てたので」。快音はお預けでも、5回コールド勝ちに笑顔を見せた。

東海大相模では1年秋にレギュラーをつかんだが、ちょっとした方向性の違いから地元熊本での再出発を決めた。日本高野連の規定により、編入後の1年間は公式戦に出場できなかった。地元の友達もスタンドに駆けつけ、右の強打者は「うれしかったですね。次からは、チームの勝利に貢献できるよう頑張っていきたい」と気持ちを引き締めた。