21年ぶり出場の川之江は、元阪神投手の新井智コーチ(41)がアルプスから熱い視線を送った。

新井氏は製紙会社に勤務しながら14年から同校で投手コーチを務める。現役時代、1軍登板はなかったが、試合前にノッカーとして甲子園のグラウンドへ足を踏み入れた。独特の雰囲気を感じ「気持ちよかったです。緊張しました」と笑顔。

試合は自身と同じ左腕のエース、山内太暉投手(3年)が先発した。「(今夏は)精神面での成長が大きい。3ボールからでもストライクが投げられて三振まで持っていける」。県大会決勝で延長10回を1人で投げきった教え子の力を信じた。

山内は3回に4安打と四死球で6失点も147球の熱投で8回を投げきった。ビハインドの展開となったが「(ノックのときに選手の)表情が良かったのでいい方に行くと思う。1点ずつ返してほしい」と新井コーチは祈った。

就任から9年目で初めての聖地。「(選手が)連れてきてくれたおかげでノックできた。ありがとうですね」。ナインへの感謝は尽きない。