部員に暴力を振るったとして今年1月に解任された東海大菅生(西東京)の若林弘泰監督(57)が、監督復帰後初の公式戦を勝利で飾った。

公式戦で指揮を執るのは昨年11月の明治神宮大会以来。約10カ月ぶりに色鮮やかなブルーに「TOKAI」と胸に書かれたユニホームで公式戦を迎えた。「また一緒にできる、選手とね。それは責任を果たせるのかな」と、感慨深い表情で言葉を詰まらせた。

若林監督は1月に行われた日本学生野球協会の審査室で、部内体罰と報告義務違反のため昨年12月5日から4カ月の謹慎処分を受けた。その後、学校から監督を解任された。しかし選手育成の手腕と、春夏通算4度の甲子園出場を果たした実績に加え、保護者や選手からは復帰を望む声が上がっており、6月に指導者として現場復帰。秋の公式戦から監督に復帰することが決まっていた。

若林監督には、試合前には神棚に祈り、選手にお清めの塩を毎試合配る監督としてのルーティンがある。自身も帽子のつばの裏にお守りを忍ばせる。しかし、この日は復帰初戦の緊張感からか「お清めの塩を作るのを忘れて…お守り何持ってたんだっけなとか、試合前何してたんだっけなとか、そういうのはありました」と明かした。

次戦は10日、東海大菅生グラウンドで午前10時から羽村と対戦する。【黒須亮】