関根学園は新潟商に3-0で勝ち、8強入りを決めた。先発のエース佐伯大和投手(2年)は8回を被安打3の無失点投球。あと1イニングで9回完封だったが今回は、おあずけになった。
佐伯が打者3人で退けて戻ってきた8回のベンチだった。安川巧塁監督(31)は好投のエースに声をかけた。「最後(9回)、代えるよ」。指揮官が期待していたのは「やらせてください」という言葉だったが、佐伯は素直に従った。8回を105球投げ3安打無失点。あと1イニングで9回完封投球。そんな状況で燃えないエースが歯がゆかった。ベンチの隅で悔しげなエースを見て内心、「よしよしと思った」と言う。次戦へ、強力な“カンフル剤”になった。
エースに大きな期待を寄せる安川監督は、すでに“荒療治”を施していた。1年春からベンチ入りさせてきたが「奮起を期待して」と、2年の春夏はベンチ外。そんな状況に置かれながら佐伯は地道な練習を繰り返してきた。夏場は日本のスキー発祥の地・金谷山のボブスレーコースを登るトレーニング。「スキー場も3周くらいしたことがある」と下半身強化、スタミナ強化に努めた。「悔しい思いをした」というベンチ外が練習に取り組む原動力だった。2回戦の十日町戦(13-5)で4回のロングリリーフに次いで、今大会はまだ12回無失点を続けている。
マウンドを引き継いだ大平慈温(2年=一塁手)が9回先頭打者に四球を許し、次打者に2ボールを放ると佐伯が伝令に走った。安川監督の指示は「今の自分の思いを伝えてこい」。マウンドに集まったナインに佐伯はこう思いの丈をぶつけた。「次は9回投げるから、頼む」。ちょっぴり悔しさを味わった4回戦を糧に準々決勝に挑む佐伯の決心を表す言葉だった。【涌井幹雄】

