鶴岡東が日大山形を7-2で破り、4年ぶり6度目の優勝を果たした。1回、桜井椿稀外野手(2年)の2戦連発となる3ランで先制。先発の梅沢一輝投手(1年)が、4安打11奪三振2失点の完投でチームを優勝へ導いた。

   ◇   ◇   ◇

「『やってやろう』という思いしかなかった」。決勝のマウンドを託された1年生右腕の梅沢は、佐久リトルシニアでともにプレーした桜井が「おとなしい性格で口数が少ない」と語るように普段は控えめで寡黙。だが、マウンドに上がればそれがたちまち一変!。億田知輝捕手(2年)にはっきりと意思を伝え、自身の投球スタイルを貫き、初回から2者連続三振とエンジン全開。力強い真っすぐを武器に積み重ねた三振は「11」。試合終了後は大きなガッツポーズも見せた。

桜井の背中を追いかけ続ける! 梅沢は同郷で憧れの存在である桜井の誘いを受けて鶴岡東へ入学。桜井は「のびのびとプレーしていいから」と控えめな性格を気遣い、アドバイス。その言葉が効いたのか梅沢は入部当初に比べ、球速が4キロアップ。決勝での好投に桜井は「シニア時代に比べて格段に良くなっている。『頑張ったな』とたたえてあげたいです」と称賛。だが、エースナンバーを背負う桜井は「背番号1は譲る気はない」と対抗心を燃やした。ライバルであり、強い絆で結ばれた鶴岡東の2枚看板が、東北大会で躍動する。【木村有優】

 

○…羽黒は九里学園に12-1の5回コールド勝ち。東北大会切符がかかる大一番で太田駿平内野手(2年)が3安打1打点と活躍した。だが、今大会は打撃が不調。「焦りやもどかしさを感じて苦しかった」。それでも「安打にこだわらず出塁を意識しよう」と前向きに取り組んだ結果が実った。太田は25日が17歳の誕生日。3年ぶりとなる東北大会出場が決まり「最高の誕生日プレゼントです」とまぶしい笑顔を見せた。