今秋関東大会で8強入りした桐光学園(神奈川)が27日、川崎市の同校で恒例のOB戦を行った。

卒業生にとっては久しぶりに母校へ帰る日。今秋の明治神宮大会でプレーした高橋賢心捕手(日体大4年)は「体も熱量も、僕らの時と何も変わらないです」と野呂雅之監督(62)の姿に喜んだ。

同じく神宮大会で投げた谷村然投手(慶大4年)も「僕たちが現役の時もOBの方々が来て、監督がとてもうれしそうでした。このいい文化をつないでいければ」と願った。

試合前には野呂監督がOBたちにノックを打った。今年で62歳。2年前にチーム全体からもらった還暦祝いの背番号60の赤ユニホームをまとい、うれしそうに打球を飛ばしていく。

ランニングや水泳を欠かさず、何度バットを振っても体がぶれない。

レフトでノックを受けた鵜沢悠生さん(早大4年)も驚いた。

「いや、もう、打球が全然変わらなくて。ノックを受けてる時や見てる時にみんなで話題になったんです。『やっぱ監督ノックうまいよね』って。ミスショットも少ないですし、狙ったところに打って、ずっと変わらないノックをされている印象をすごく受けて。『本当にすごいね』ってみんなで」

怒られたこともある。

「今日も送球が投げにくいところに監督さんが打ってきて、自分はまんまとはまって、送球エラーして怒られて。でも怒られるだけじゃなく、その後(の教えやフォロー)もある監督だったので」

懐かしくなる。

「合宿の時、自分たちが朝起きたタイミングで、監督は1人外野を走ったりトレーニングしたり。監督さん自身が自分を律しているところが、人として尊敬するしかないというのがあるので。一緒に戦っていく感じがありました」

硬式野球はやらなかったものの、野呂監督と同じ早大を志し、もうすぐ卒業する。目指すところは。

「監督さんみたいな年の取り方をしたいなと思っていて。夢に向かって自分で打ち込んで、人にもアウトプットしながら…そこはリスペクトしかないです。憧れの存在に近い人です」

いろいろな夢を抱くOBたちと笑い合う、暮れのひと時。野呂監督は高校野球の監督として、桐光学園ひと筋で、40回目の冬を過ごしている。【金子真仁】