高崎健康福祉大高崎(群馬)は箱山遥人捕手(3年)が攻守に光り、学法石川(福島)を下した。

群馬が誇る榛名山のごとく、高崎健康福祉大高崎・箱山は動じない。勝利目前の9回、学法石川に2死満塁を与えると、マウンドへ行き石垣に「大丈夫っしょ」と軽口っぽく言った。「行けるっす」と返ってきた。「(先発した)佐藤は考えて投げるけど(2番手の)石垣は気にしすぎる可能性があるので適当に。気持ちよく投げさせる」。持ち味の直球を続け遊ゴロ。初戦で散った昨春センバツの苦い思い出を塗り替えた。

赤城山、妙義山の間にあるのが榛名山なら、3番高山、5番森山の間には4番箱山がいる。7回2死一、二塁で左前適時打。4点にリードを広げ、勝利を近づけた。「上毛三山クリーンアップ」の大将で、無失点リレーに導いた扇の要で、主将。底にはこまやかな気配りがある。年下の両腕をリードする立場。「気を使わせないように。あくまで主役はピッチャーです」。昨夏、ショートバウンドを投げた佐藤が謝ってきた。「そういうの、やんないで」。18・44メートルには、学年も上下関係もない。

目指すは日本一の頂だ。次は明豊戦。「甲子園の常連校ですが、粘り強さで負けないように」と2合目も駆け上がる。【古川真弥】