北海道・別海町生涯学習センターみなくるで行われたパブリックビューイングでは、約400人の町民が、別海ナインへの応援で声をからした。

0-7で迎えた9回2死一、二塁で、7番千田涼太二塁手(3年)の打球が相手の中堅手のグラブに収まり敗戦が決まると、拍手で健闘をたたえた。

30年前に別海高を卒業した野球部OBの村上徹さん(48)は「万感の思いです」と、巨大スクリーン映し出された後輩たちの一挙手一投足を見つめた。自身は1番・内野手で出場した高3夏の北北海道大会釧根地区代表決定戦で敗北。「まさか、母校が甲子園に出場する日が来るとは。『ありがとう』の言葉しかない」と、感謝を口にした。

先発した堺暖貴投手(3年)の母方の祖父で、甲子園出場後援会の安部政博会長(74)は、体調不良のために甲子園での観戦を自重。約240頭の牛の世話をヘルパーに任せて会場に駆けつけた。今大会の出場は逃したが、仙台育英に、もう一人の孫・佐々木広太郎投手(3年)がおり「難しいとは思うけれど、2人とも(同時の甲子園出場に向けて)頑張ってほしい」と、最後の夏に期待した。

2打席目に左安打を放った影山航大内野手(3年)に、高校で畜産やシクラメンの花・野菜の栽培などを指導する山田梨帆教諭(24)は「いつも通りの笑顔が良かった」と、スクリーン越しの教え子の表情に目細めた。

堺らの出身校である別海中央中の阿部尚人監督(44)は「非常に胸が熱くなる試合でした。次は君たち(現在の中学生)の番だよと、みんなに伝えました」と話した。同校野球部からは、今春も2人が別海高に入学する予定。また22日に大阪桐蔭と対戦予定の北海の吉川哲太内野手(2年)も別海中央中出身のため「別海の分も頑張ってほしい」と期待した。