昨秋の明治神宮大会王者・星稜(石川)は、公式戦初先発の背番号18、戸田慶星(けいた)投手(2年)が9回2安打105球で公式戦初完封を飾った。捕手のリードにコントロールよく投げ分け、打たせて取る投球を披露。松井秀喜氏ら名だたる先輩が果たせなかった、同校史上初&石川県勢初のセンバツ4強入りを決めた。

チームはエースの佐宗翼投手(3年)を温存。1回戦の田辺(和歌山)戦で甲子園初登板し、2回無失点だった戸田が準々決勝の先発に抜てきされた。同校OBの奥川恭伸投手(ヤクルト)に憧れて入学した右腕は「その先輩を超えたとは…(笑い)」と謙虚に語ると、続けて「すごく光栄なことですけど、まだ自分にとっては憧れのチームというか存在」。小麦色に輝くユニホームに袖を通し、勝利のために腕を振れるうれしさをかみしめた。

能美誠也捕手(2年)は「(戸田は)緊張しやすいのでバッテリーのリズムを合わせることを考えた」と振り返った。公式戦初先発の2年生右腕を「緊張しないように、『(あえて)緊張しろ』と言いました。緊張がダメと言えばそっちにのめり込むと思う」と絶妙にコントロール。息を合わせた丁寧な配球で、相手打線を手玉に取った。

創部63年目にして、星稜に春の優勝旗が少しずつ見えてきた。

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