中央学院(千葉)が青森山田を破り初の4強入りを決めた。

蔵並龍之介投手(3年)は、背番号1のプライドを今大会初登板のマウンドに賭けた。1、2回戦は臼井夕馬投手(3年)、颯佐心汰内野手(3年)の継投で勝利。蔵並は終盤、一塁での起用はあったものの、登板はなかった。「投げたくて悔しかった。それをこの1試合に出せました」。8回途中まで毎回走者を背負ったが動じない。決め球のフォークを武器に粘り8安打1失点。打撃でも同点打を含む2安打1打点と勝利に貢献した。

投げられない自分に腹が立った。2回戦の宇治山田商戦前日。ブルペンでいい球が投げられず涙がこぼれた。「直球の質、変化球。うまくいかなくて…」。だから、出番がない。現実を突きつけられたが、「自己改革」が新たな力を生んだ。「自分の性格はマイナス思考。でも、相馬(幸樹)監督やチームメートが変えてくれた」。周りの声かけで「今できることを精いっぱいやる」と、プラス思考に。無心で練習を重ね、全力投球のマウンドにかえた。

186センチ、90キロの恵まれた体で「実は意識をしている」という左足を高く上げる“ロッテ佐々木朗希フォーム”で、全国にその名を知らしめた。「マウンドに上がった選手がエース。次もその気持ちで投げ込みたい」。背番号1の復活が、チームに弾みをつける。【保坂淑子】

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