磐田東が10-0の5回コールドで静岡学園を下し、3年ぶりに夏のシード権をつかんだ。プロ注目右腕の寺田光投手(3年)が5回を3安打無失点に抑え、赤堀佳敬新監督(31)の初陣で快勝に導いた。今年から16枠に増えた夏のシード校が確定。3回戦は27日に行われる。

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185センチ右腕の寺田が投打で躍動した。プロ3球団のスカウトが見守る中、直球を主体に毎回の6奪三振で5回を58球でぴしゃり。自己最速145キロには及ばなかったが、140キロを複数記録したエースは「立ち上がりが良かった。いい流れをつくれたと思う」と満足した表情を浮かべる一方、「終盤は球が抜けてしまい、スリーボールになってしまった」。無四球無失点の投球にも反省を口にした。打っては2回1死一、二塁からに右前に適時打を放ち、自らのバットで貴重な追加点を奪った。

公式戦初采配となった赤堀監督は「選手はよくやってくれました」と第一声。17年から盛岡大付(岩手)、19年からは高崎健康福祉大高崎(群馬)でコーチを務め、今春センバツでは日本一も経験した指揮官は、2週間前に就任したばかり。「まだ基本のサインだけ」と話すも、試合中にはストップウオッチを手に、走者や送球スピードを自ら計測。目安値に対する実測値を選手に伝え指導にあたった。「まだまだ課題はあるが、やろうとしている姿勢を試合の中で多く感じた」と今後に期待を込めた。

8強を懸けた次戦は27日、静岡高と対する。エース寺田は「1試合を大切に戦うだけ。勝ち続けて東海大会に出場したい」と目を輝かせた。【山口昌久】

◆赤堀佳敬(あかほり・よりのり)1993年(平5)4月1日、三島市生まれ。伊豆中央高から中京大と進み、内野手としてプレー。卒業後は保健体育教諭として磐田南に赴任。17年から盛岡大付、19年から高崎健康福祉大高崎で副部長を務め、主に打撃を指導。父の真也氏(55)は天竜高監督。右投げ左打ち。独身。