2日連続の劇的な逆転勝ちで激戦区の神奈川を制した。東海大相模(神奈川)が5年ぶりに夏の甲子園への切符を手にした。8回に2点差を追いつき、なお1死満塁で中村龍之介外野手(2年)が勝ち越しの2点適時二塁打を放ち勝負を決めた。ドラフト1位で巨人入りした経験を持つOBの原俊介監督(46)は、指揮官として初の聖地行きに、うれし涙。敗れた横浜はプロ注目の椎木卿五(けいご)捕手(3年)がサイクル安打も、及ばなかった。

「強い相模を作るという思いを、選手のおかげでやっと達成できました!」。試合直後のインタビュー。東海大相模・原監督の目には、光るものがあった。同校からドラフト1位で巨人入りし、2021年9月に監督就任。3度目の夏でつかんだ聖地への切符に「選手が本当に頑張ってくれた…」と、声を詰まらせ、激戦区での戦いを振り返った。

選手を信じ続けた結果が、2日連続の逆転劇へつながった。前日23日、向上との準決勝では8回表にリードを許し「弱気になってしまった。選手を信じるしかなかった」と窮地に追い込まれた。だが、その裏すぐに、再び試合をひっくり返し決勝へ。決勝でも、ドラマは8回に起きた。2-4でも指揮官は「昨日は選手に強くしてもらったので、弱気にはならなかった」と冷静だった。ナインに「必ずチャンスが来る。風穴をあけるぞ」。5長短打を集めて一挙4点。打線が原監督の言葉に応えた。

名門の監督として重圧と闘った。「選手とともに、この3年間成長させてもらった。だからこそ結果を出さないと」と、夏を見据えていた。「監督を甲子園へ連れて行きたい」と話していた木村海達(かいたつ)主将(3年)の思いもかなった。

168チームの頂点に立ち、勢いに乗って甲子園へ乗り込む。2枚看板の藤田琉生(りゅうせい)投手(3年)と福田拓翔(たくと)投手(2年)が注目されがちだが、粘り強い打撃で勝ち上がった。指揮官は「念願の舞台なので、一戦必勝で臨みます」と次の舞台へ切り替えた。「逆転の相模」は真夏の聖地でも輝く。【深田雄智】

▼東海大相模・原俊介監督は、同校から95年ドラフト1位で巨人に指名され入団した。ドラフト1位で入団した元プロ野球選手の監督が甲子園に出場したのは、12年春の早鞆・大越基監督(92年ダイエー1位)、19年春から春夏6度出場の智弁和歌山・中谷仁監督(97年阪神1位)に次いで3人目。

◆東海大相模 1963年(昭38)に創立された私立校。生徒数1713人(男子1007人、女子706人)。野球部は創立と同時に創部。甲子園出場は春12度、夏12度目で春夏通じて5度の優勝経験がある。主な卒業生に前巨人監督の原辰徳、巨人菅野智之、中日小笠原慎之介、DeNA大田泰示ら。所在地は相模原市南区相南3の33の1。土井崇司校長。

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