<高校野球西東京大会:東大和南4-3町田>◇13日◇1回戦

 東大和南の土井崇史監督(31)が、複雑な思いで勝利を手にした。対戦相手の町田は、09年3月まで9年間、監督や助監督を務めていたチーム。しかも、自分の母校でもあった。6月の組み合わせ抽選会で、初戦の相手に決まったときには「これも縁だな」と感じたという。試合では、古巣選手の特徴やイメージをナインに伝え、勝負に徹した。「指導した子供に土を付けるなんて、複雑な気分です。(町田の選手に)1回でも勝ってもらって、いい思いをしてもらいたかった」。かつての教え子への親心ものぞかせた。

 一方で、町田の元教え子も意地を見せた。垣田大輝内野手(3年)は、2回に左越えの同点ソロを放った。3日前に身に着けた引きつける打撃フォームで放った一発。「フォームを変えることを恐れるな」と教えてくれたのが、土井監督だったという。「負けて1番、悔しい相手に負けた。お世話になった土井さんに、成長した姿を見せたかったのに…」。勝利にはあと1歩、届かなかったが、成長の跡は恩師に見せられたはずだ。