<高校野球京都大会:京都翔英6-5花園>◇12日◇2回戦

 京都翔英にスーパー1年生が現れた。花園戦で5番に起用された榎本和輝内野手だ。2点を先制されて迎えた1回裏2死二、三塁。高めに来たスライダーを迷うことなく豪快に振り抜いた。「打った瞬間に入ると思いました。すごく気持ち良かった」。左翼席奥に吸い込まれる逆転の3ラン。8回には高めの直球を再び左翼へ、この日2本目の本塁打をたたきこんだ。

 投げても潜在能力は高い。1点リードの8回、一塁守備からマウンドへ。粗削りながら豪快に投げおろし、1回1/3を投げて3三振を奪った。日本ハム・ダルビッシュにあこがれる15歳は、朝からラーメン鉢いっぱいのご飯を平らげる。おかげで入学後3カ月の間に体重は10キロも増えた。

 太田弘昭監督(38)も「朝の練習から調子が良すぎたぐらいで、やってくれるとは思っていた」と予想通りの大活躍にニンマリだ。「1年生ながら気持ちにムラがない」と信頼も厚い。榎本は「今の監督さんに出会って本当に良かった。監督さんを何とか甲子園に連れて行きたい」と力強かった。【土谷美樹】