<高校野球山形大会:鶴岡東3-2山形中央>◇27日◇決勝

 2年連続の同カード決勝は、鶴岡東が山形中央に雪辱し、30年ぶり3度目(鶴商学園時代を含む)、現校名になって初めての甲子園出場を決めた。双子の弟・1番神田浩行(3年)が先制の右翼線三塁打に、勝ち越し右前打と活躍。投げては1年生左腕・古市純也と横手投げ左腕エース佐藤亮太(3年)の継投で逃げ切った。

 千羽鶴に願いを込めて、30年ぶりに“鶴”が舞った。1点リードの9回表、1死一塁から相手6番打者を投直から併殺に仕留めた鶴岡東の佐藤亮は、両こぶしを握り締めてガッツポーズ。選手全員で喜びを爆発させた。就任11年目で夏初めての胴上げを受けた佐藤俊監督(39)は「私は今日、何もしていない。選手たちがよく頑張ったのでびっくりした」と振り返った。

 昨夏決勝で延長12回、3-4で敗れた相手に雪辱した。現チームは昨秋の県準決勝で延長14回、7-6で勝ってはいたが、夏勝利は一味違った。古市との継投で胴上げ投手になった佐藤亮は「(いいところを)もらいました。気持ちいい」と格別の勝利をかみしめた。

 チーム一丸の全員野球が実った。3回裏、この回先頭の本田幸輝(2年)が、相手左腕・横山雄哉の最速141キロの初球を中前打して出塁。1死二塁から神田浩の右翼線三塁打で先制した。同点で迎えた7回裏も、本田が併殺崩れで出塁。2死一、二塁から、またも神田浩の右前適時打で決勝点を挙げた。神田浩は「7回は楽しみでした。ヒーローになれると思って、ネクスト(サークル)でも(打順が)回って来いと思っていました」と先頭打者として強心臓ぶりを示した。

 本田は女房役としても2投手をリード。古市と佐藤亮の好投につなげた。1年生ながら準々決勝から3戦連続先発の古市は7回2/3を5安打2失点。2点本塁打は許したが、今夏3勝目を挙げ、「先輩たちにフォローしてもらい、思い切って投げられました」と笑顔を見せた。

 30年ぶりの夏甲子園。チームは79年春のセンバツ大会で全国1勝しているが、夏の全国白星はない。佐藤監督は「甲子園で勝つことを目標にしてきたので、しっかり準備して守り勝ちたい」と意欲。つなぎ役として3回裏、左犠飛で1打点を挙げた遠田真也主将(3年)は「1つのミスが(失点に)つながっていくので、ミスをなくしていきたい」と全国舞台を見据えた。【佐々木雄高】

 ◆鶴岡東

 1968年(昭43)鶴岡商業高等学校として開校の私立校。生徒数は715人(女子368人)。野球部も68年創部、部員68人(マネジャー2人)。甲子園は春1度、夏3度目。主なOBは元阪神の青木重市氏。所在地は鶴岡市切添町22の30。斎藤哲校長。

 ◆Vへの足跡◆2回戦11-2酒田東3回戦7-0米沢興譲館準々決勝3-1山形工準決勝6-5日大山形決勝3-2山形中央