<全国高校野球選手権:習志野9-3明徳義塾>◇13日◇2回戦

 習志野(千葉)は明徳義塾(高知)を下し、春夏通算20勝目とした。

 習志野・小林徹監督(49)の奇襲采配が明徳義塾の意表を突いた。1回戦から1、3、5番以外の全打順をシャッフル。練習試合を入れても「初4番」の皆川が、2点先制三塁打などチーム一の3打点で見事にハマッた。同監督は「普通の試合をしては勝てない。イチかバチかでいじってみました」と、したり顔だ。

 投手起用も裏をかいた。3失点完投の大野の登板は、千葉4回戦から実に6試合ぶり。とはいえ、春の関東大会優勝投手だ。左肩に死球を受けても、カーブやフォークをゆる~く投げて次々と打者を打ち取った。

 今大会初めて満員札止めとなったこの対戦。4万3000人の大観衆と元阪神のOB掛布雅之氏(56)が見守る前で、甲子園通算20勝目を挙げた。宿舎には、掛布氏やヤクルト小川監督ら、歴代OBから続々差し入れが届いているという。大野は「次も1戦1戦勝ち上がっていきたいです」。次は好投手、釜田を擁する金沢(石川)と対戦する。2度の全国制覇を誇る古豪は、1歩ずつ新たな歴史を紡いでいく。【鎌田良美】