<全国高校野球選手権:日大三14-4関西>◇19日◇準決勝

 日大三(西東京)は終盤7、8回に打線が爆発。2本塁打を含む16安打と5戦連続2ケタ安打を放ち関西(岡山)に圧勝。優勝した01年以来の決勝へ駒を進めた。

 5安打1点に封じられていた日大三打線が、7回裏に目覚めた。1死満塁から2番金子が右前適時打で均衡を破ると、強打線の圧力が相手を浮足立たせる。畔上の二ゴロを、相手二塁手が本塁に悪送球し2点。さらに4番横尾俊建(3年)が左前2点打、6番菅沼が今大会2本目となる3ランを放ち打者12人で一挙8点を挙げた。チームトップ4打点を挙げた横尾は「みんなが集中していた結果」と圧巻の打撃で決勝進出を決めても、浮かれた表情はなかった。

 強力打線を支えるのは練習量に加え、個人の意識の高さだ。金子は中学時代から就寝前のイメージトレーニングを欠かさない。長いときは1時間近くになることもある。「いい打撃がイメージできるまでやる。昨日は同点か0-1の場面で本塁打を打つイメージで終わりましたが」と笑った。

 今大会19打数11安打9打点の横尾は理論派のバットマン。西東京大会では「外角は7割打てる自信があった」とバットを外側に倒して構えたが、従来の耳元にヘッドを寝かせる構えに戻した。「西東京の決勝が終わった日、家で自分の打席の映像を見た。トップの位置が低くてバットが出ていなかった」と反省。体の近くで腕を曲げたまま球を捉え回転する「バリー・ボンズ打法」の理論を幼少から教え込んだ父昭建さん(52)と、その晩にバッティングセンターで打ち込んだ。

 メンバーをサポートする存在も大きい。滝沢智成らベンチ外の3年生4人が相手のデータを収集し解析。眠い目をこすりながら相手選手の特徴などをA4用紙1枚にまとめ、試合当日の朝に配る。相手をイメージするのに「効果があります」と8回に2ランを放った高山は話す。前回優勝の01年は6戦50点だったが、今大会は5戦で50点に到達。横尾は「これで満足しちゃってはいけない」と、伝統の強打を決勝でも見せつけるつもりだ。【清水智彦】