<高校野球静岡大会:静岡商5-3市沼津>◇24日◇準々決勝◇島田球場

 4回戦までの3戦で無失点だった市沼津が延長の末、散った。4回に1死一、三塁からスクイズを決められ初失点。それでも2-3と1点を追う6回裏に同点に追いつくと、エースの小林弘郁投手(3年)が8回から登板。延長11回に打球が右足すねを直撃したが、痛みに耐えてマウンドを守った。しかし延長13回表に1死二、三塁から決勝打を浴びた。今大会20イニング目の初失点が決勝点になった小林は「フォークが落ちなかった」と振り返った。

 先発は背番号10の後藤魁(かい)投手(3年)だった。小林は「後藤が春から伸びてきた。負けていられない、と。無失点を続けられたのは後藤がいい投球をしていたから」とすっきりした表情で話した。13回裏は2死から四球で出塁。次打者が右翼に打ち上げ夏が終わった。「三塁まで走った時にアウトの宣告を聞いて、そうしたら涙が止まらなかった」。それでも笑顔だったのは「2年半この仲間でやってきた。最後は笑顔で帰ろう」という思いからだった。【加納慎也】