<全国高校野球選手権:組み合わせ抽選会>◇6日◇フェスティバルホール

 広陵(広島)は第3日第4試合に登場し、3季連続出場の強豪校・三重と対戦する。三重の好投手左腕・今井重太朗(3年)を打ち崩すため、中井哲之監督(52)が自信たっぷりだ。

 左腕対策はバッチリだ!

 初戦の相手が決まり、中井監督がゆっくりと話し出した。「いよいよ始まるな」。4年ぶり21度目の夏出場。戦いを目前にして、指揮官の気持ちは高ぶっていた。対戦する三重は、3季連続出場で、甲子園経験者が多い。特に、チームの中心である今井は昨夏もマウンドに立ち、センバツでは智弁学園(奈良)の強打者・岡本和真(3年)と対戦している。「ある程度の失点は覚悟している」。相手のエースをたたえた上で、意味深に笑みを浮かべた。

 広島大会で次々とサウスポーを攻略してきた。準決勝で左腕投手を破り、決勝の対戦投手も広島新庄の山岡就也(3年)と左。センバツ2回戦の対桐生第一で再試合の熱投をみせるなど右足を高く上げる“ライアン投法”の左腕だ。「(準決勝、決勝と)いい投手たちでした」。準決勝、決勝はいずれも1点差試合。夏の切符をつかむまでの厳しい試合で、相手校の自慢の左エースを倒し、広島代表に上り詰めた。

 くしくも、初戦の相手エース今井も左投手。「ミスにつけこめるような野球が出来たら」。名勝負の指揮を執り、広島野村祐輔投手や阪神上本博紀内野手を育てた名将は、選手への気遣いも忘れなかった。

 「本人たちは、もちろん相手が誰でも勝ちたいでしょう。『よく頑張った』と言ってやれるような試合をして欲しいね。負けたら、その責任は全て私。だからこそ、思い切ってやって欲しい」

 悲願の夏初優勝を目指し、まずは初戦を突破する。