<高校野球静岡大会:掛川西5-2東海大翔洋>◇19日◇3回戦

 掛川西は5-2で第3シード東海大翔洋を破り、昨秋に延長再試合の末に敗れた雪辱を果たした。

 清水庵原球場に駆けつけた4000人が、息をのんで2時間27分の熱闘に見入った。屈指の好カード掛川西-東海大翔洋戦。掛川西の榊原竜馬投手(3年)が最速139キロの直球とスライダーを武器に、因縁の相手を9回2失点8安打8奪三振に抑え込んだ。

 「会心」と振り返った投球も、大歓声も快感だった。昨秋に負けた相手へのリベンジとは、考えなかった。「甲子園に行くための通過点だから」。試合前日、母真理さんは緊張で、何度も背番号1にアイロンをかけた。ケロッとしている息子を見て「頼もしい」と思う半面、怖くもなった。深夜にこっそり、ユニホームの袖に「幸運のお守り」を縫い付けた。

 「けがした時も、支えてくれたのはお母さんだった。親孝行しないといけないですね」と榊原は笑った。母の思いを胸に、榊原は投げ続ける。【鶴智雄】