第90回全国高校野球選手権静岡大会の準々決勝4試合が22日、草薙球場ほかで行われる。激突する8強の中で唯一甲子園出場のない飛龍は、掛川西と対戦。ここまで4試合で47安打を放つなど、打線が爆発している。攻撃的な野球を武器に、56年創部以来初の甲子園出場を狙う。

 飛龍が初となる夢舞台への切符をつかみに行く。8チーム中、唯一甲子園出場がない。浜野洋監督(33)は「うちはスター選手もいない。スタンド、ベンチ。とにかく全員で一体となって戦います」と決意を語った。

 ここまで3試合でコールド勝ちと超攻撃野球を披露している。その勢いは、試合前に必ず行っている「朝練」が生んでいる。ナインは朝早くからグラウンドに集まり、約45分間の打撃練習を行ってから試合に臨む。4番の和田隆幸三塁手(3年)はこう話す。「朝早くから起きて体を動かすと、スムーズに試合に入ることができる」。

 事実、打線は4試合で47安打という結果を残し、1試合平均11・75本。また、コールド試合が3試合あるためここまでイニング数は32。1イニング平均になると1・46安打となり、毎回安打を放っている計算となる。4回戦の浜北西戦では、この豪快な打撃に加えてエンドランを成功させるなど、小技も披露した。

 和田は「1戦1戦を大切にする。日本一になって沼津を盛り上げたい」。ナインの思いは一つ。この夏、飛龍ナインが夢を実現する。【前田和哉】