<高校野球南大阪大会:近大付8-7PL学園>◇27日◇決勝

 近大付が延長12回の末、PL学園にサヨナラ勝ちして15年ぶり4度目の出場を決めた。

 一塁側PLベンチに飛び込むボールを見て、近大付の二塁走者の苑樹(そのき)順道(3年)が三塁を蹴った。7-7で迎えた12回裏。1死二塁から4番石丸一磨(3年)のゴロを、遊撃手が一塁へ悪送球。サヨナラだ。近大付ナインは歓声と悲鳴が交錯するグラウンドに飛び出した。「素晴らしい選手たちです」。粘り強く夢をかなえた教え子に、藤本博国監督(38)の声が詰まった。

 執念の逆転劇だった。7回を終え4点差をつけられても、あきらめない。勢いづけたのが、主将の松本弦貴(3年)だ。8回、1点を返した直後の2死二、三塁。「ここで返さな、チームに迷惑かける」と、中前へ2点適時打を放った。9回には、敵失も絡め無安打で同点に。1点を勝ち越された10回も松本の四球を足掛かりに再び追いついた。

 春の大阪大会では4回戦で敗退した。復帰2年目の藤本監督はあえて言い続けた。「お前らは甲子園に行ける。行って勝つための練習をしようや」。野手に投手の練習をさせ、競争心も高めた。15年前の大阪大会決勝でもPLに勝ち甲子園切符を手にした。「PLの分も、精いっぱい頑張りたい」と藤本監督。激闘を制した自信を胸に、近大付が甲子園に乗り込む。