3月27日のプロ野球開幕まであとわずか。日刊スポーツのプロ野球担当記者が注目するイチ押し選手を投手編、野手編、外国人選手編と分けて紹介します。

 第3回はパ・リーグ野手編です。

 ▽ソフトバンク 柳田悠岐外野手(26)

 フルスイング男が今季は本塁打倍増でトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)を狙う。昨季は打率、盗塁はクリアしたが本塁打は15本だった。新設されたホームランテラスも味方し、達成は現実味を帯びてきている。背中に巻き付くほどのアッパースイングでとらえた打球はラインドライブしながらスタンドへアーチを描く。昨年は5番~7番、終盤には1番で起用されたが、工藤新監督からは3番を託された。「チームで求められているものも昨年より高くなっているんで」と柳田も意気に感じている。凡打でも観客を沸かせる豪快な打撃に注目だ。【ソフトバンク担当 石橋隆雄】

 ▽オリックス 中島裕之内野手(32=アスレチックス3A)

 日本球界に3年ぶりに復帰した好打者。阪神や古巣西武からオファーを受けたが「去年はあとちょっとで優勝できなかった。その部分で力を貸して欲しいと言われたのが大きい」と地元関西のチームを移籍先に選んだ。西武時代は5年連続で打率3割をマークした。米国での2年間はメジャー昇格を果たせず悔しさを味わったが、勝負強い打撃は健在だ。新天地でもクリーンアップとして期待され、自己最多100打点の更新を狙っている。【オリックス担当 大池和幸】

 ▽日本ハム 西川遥輝内野手(22)

 昨季のパ・リーグ盗塁王で、今季は開幕からリードオフマンを任される。5年目で成熟度を増し、さらにブレークしそうな気配十分。非凡な打撃センスに、スピードを含めた走塁の技術は12球団でもトップクラス。機動力などを駆使して戦局を動かしながら、勝ちパターンへ持ち込んでいく栗山監督には、欠かせない駒になる。ただ守備位置が固定されておらず、三塁に挑戦中。一塁と外野を任されることもあり、不安定な起用法になる。守備の意識を高め、向上できれば将来的に日本を代表できる逸材だ。【日本ハム担当 高山通史】

 ▽ロッテ 大嶺翔太内野手(23)

 昨季途中に1軍デビューを果たした右打ち野手。パンチ力に加え、初球からガンガン振る積極性が魅力だ。伊東監督も「翔太の持ち味」と認めている。守備も着実に向上しており、二塁、三塁、遊撃と広く守れるのは強み。今季はキャンプの紅白戦からアピールを継続し、初の開幕1軍を手中にした。今は控えの立場だが、6年目の今季、ブレークする可能性を秘めている。【ロッテ担当  古川真弥】

 ▽西武 秋山翔吾外野手(26)

 破壊力満点の打線が機能するかカギを握る1番打者。浅村、中村、メヒアと続く打撃タイトル経験者のクリーンアップの前に2番に栗山を攻撃的に据えるのも、秋山の成長を踏まえての配置。グリップをシンプルに下げた新打法でオープン戦は高打率を残した。田辺監督も「秋山は成長の跡が見える」と認める変貌ぶり。西武には伝統的に“1番センター秋山”が似合う。【西武担当 広重竜太郎】

 ▽楽天 松井稼頭央外野手(39)

 プロ21年目のベテランが外野手へ転向。昨季中盤から外野守備を行っていたが、正式に登録も変更した。「この年で新鮮な気持ちで野球が出来る。全部新しいことなんで緊張もするけど、ありがたい」と新たな挑戦に挑む。キャンプインからじっくりと調整を続けてきたが、3月上旬に1軍に合流。オープン戦では打撃、走塁において結果を残し、激しい外野手争いを勝ち抜いた。残り80本に迫った国内通算2000安打を一気に達成する。【楽天担当 島根純】