巨人は10日、東京・大手町の読売新聞東京本社で会見を行い、野球賭博に関与していた福田聡志投手(32)、笠原将生投手(24)、松本竜也投手(22)との契約を同日付で解除したと発表した。3選手に対して無期の失格処分としたプロ野球の熊崎勝彦コミッショナーの裁定を受けて申請、承認された。

 球団は午後4時ころ、都内某所に3人を呼び、個別に解雇の旨を伝えた。「巨人軍選手」の看板を下ろさなくてはならない現実を突き付けられ、犯したことの大きさを実感し、ざんげの言葉を並べた。

 福田 軽はずみに、興味本位で始めてしまった。どうしても、やめられなかった。甘さをとても後悔している。9月12日に3人目の子供が生まれて『もう賭博はやめよう』と思った。実際にやめたが、30日にああいうこと(事態が発覚)になって…。今後は分からない。野球しかしてこなかったので…。今まで支えてくれた人を裏切ってしまい、本当に申し訳ない。

 笠原 いろんな人の人生をメチャクチャにしてしまった。償いきれない思いは、死ぬまで引きずるだろう。ジャイアンツに、自分たちが泥を付けた。チームを汚され、ショックだと思う。本当に申し訳ない。これから自分に何ができるか、考えていきたい。

 松本竜 自分なりに反省している。いろんな人に申し訳ない。興味本位で手を出してしまった。

 全員が神妙だった。福田は涙を浮かべ、言葉を詰まらせていたという。松本竜は言葉少なだったという。

 立ち会った森田法務部長は「野球しかやっていない人。個人的に相談に乗ってやろうと思う」と話した。関係者の話を総合すると、松本竜は現役続行を希望しているという。しかし、失格選手がプレーできる選択肢は非常に狭く、厳しい道が予想される。福田、笠原は不明だ。多大な迷惑を掛けた。受け止めて出直すしかない。【宮下敬至】

<過去の失格例>

 ◆黒い霧事件 69年、暴力団関係者から敗退行為を持ちかけられた西鉄投手が、八百長に関与したとして永久失格に。70年には西鉄の池永投手ら3人が永久失格処分を受けた(池永は05年解除)。他球団でも近鉄球団職員、東映投手、オートレースの八百長に絡んだ中日投手が永久失格に。

 ◆失踪 71年8月、大浜コミッショナーは合宿所を出て行方不明になった阪神外野手を失格選手に指名。

 ◆無断帰国 74年4月にテスト入団したスノー投手(日本ハム)が、初月給を銀行から引き出して失踪。無断帰国が判明し失格。

 ◆暴行 74年、大洋外野手が住居侵入暴行未遂容疑で逮捕され失格。