阪神四藤慶一郎球団社長(55)が27日、金本知憲監督(48)への信頼を強調した。24日に再開したリーグ戦で広島に3連敗。ワーストの借金7で首位に10・5ゲーム差をつけられた。西宮市内で取材に応じた四藤社長は「厳しいねえ。広島さんだけが走っている状態やね」と認めながら、監督への信頼を問われると「当たり前でしょう!」と語気を強めた。

 チームは開幕当初の勢いを失い、7日ロッテ戦から4勝11敗と急降下。最下位ヤクルトと0・5ゲーム差の5位と苦しむ。だが四藤社長は「若手も使っているし、数字(成績)も伸びてきている」と「信頼」の根拠を口にした。高山、原口ら若手を積極起用し、結果を出しつつある過程を評価。昨秋の監督就任時に託した再建は、着実に進んでいるとの見方を示した。

 ただし、道のりは平たんではない。四藤社長は「(監督も)そんなに甘くないと思っていたと思う」と理解を示した。05年以来優勝から遠ざかる要因として球団が挙げる球際の弱さ、ここ一番の勝負弱さを克服すべく、チームを1度つぶすぐらいの覚悟で改革を託した。それは容易ではなく、特に最近は若いチーム構成ゆえの経験不足やスタミナ切れが目につく。「あとは経験やね」と四藤社長は我慢の日々を強調した。

 もちろん金本監督も四藤社長の言葉に甘えるつもりはないだろう。リーグ戦再開前日の23日には「育成しながら勝っていく」「1位、一番上しか狙ってない」などと逆襲を宣言したばかり。四藤社長が最も期待するのも超変革を進めながらの巻き返しだ。まずは今日28日からのDeNA戦(甲子園)で、ファイティングポーズを作り直す。