来季のV方程式入りへ。阪神岩崎優投手(25)が度胸満点の投球でセットアッパーとしての適性を示した。7回1死一、三塁で救援。三塁手鳥谷のトンネルで1点を献上するも、2死満塁から4番バレンティンをオール直球の4球で空振り三振。「全球が勝負なので自信のある真っすぐでいった。ムダ球は投げられない」。初球から自己最速の146キロ直球を投げ込むなど、荒々しくねじ伏せた。

 勝利の方程式再構築に向けた動きはすでに始まっている。今季はFA加入の高橋が54試合に出場したが、中継ぎ左腕に故障者が続出。台所事情もあり高橋をセットアッパーに固定するまでにはいかなかった。25日の中日戦ではベテラン能見が中継ぎ登板。岩崎もこれが17日DeNA戦に続き、2度目のリリーフ登板となった。今後も幅広く可能性を探っていくことになる。

 来季に向けた構想を練る金本監督もうれしそうに話した。「すごいボールを投げとったね。これは、ちょっと…。来年、決めたかなと。素晴らしくなかった? これが連投になったり、今日1日だけでは判断しにくいけど、先発の時には投げていない球を1イニングだと投げられる」。終盤の逆転でものにした5連勝。普段は物静かな男が見せた投球が、指揮官を喜ばせた。