佑樹、先発を目指せ!日本ハム栗山英樹監督(55)が20日、来季から背番号「1」で再出発することが判明した斎藤佑樹投手(28)にゲキを飛ばした。今季未勝利に終わり、ポジションへのこだわりを見せていない斎藤に「まずは、先発を頑張らないと」と、ハッパを掛けた。この日訪問した仁木町で行われたトークショーでも、ポテンシャルの高さ、期待を改めて力説。背番号変更で心機一転を目指す佑ちゃんに、奮起を求めた。

 佑ちゃんの輝く場所は、やっぱり真っさらマウンドでなければいけない。栗山監督は今オフ、斎藤への先入観を捨て、可能性を探り直した。たどり着いた結論は「来年は勝負させないといけない。まずは、先発を頑張らないと」。今季3年ぶりに未勝利に終わった斎藤は「どこでもやる」と、役割にこだわらない姿勢を打ち出している。がむしゃらに1軍での居場所を求める来季だが、あえて指揮官は目標を明確にさせた。

 誰よりも斎藤の秘めた能力の高さを認めるからこそ、現状が歯がゆい。仁木町でのトークショーでは熱い思いを、ぶちまけた。「投球術の部分でバッターや試合の流れを見ながら抑えていける。勝ち方を知っている」。スポーツキャスター時代に早実、早大と成長を追いかけてきた。当時から見せていた投手の総合力、球場の雰囲気を変えられる類いまれな存在に価値と可能性を見いだす。加えて「持っている(球の)力の8割くらいを出さないと勝てない。うまく(投球術と)かみあわせないと」と、指摘した。

 深い愛情とともに厳しさも持って接してきた。「よくネット上で見るコメントで斎藤佑樹投手を甘やかしている、とありますよね」と苦笑いしたが、今季の斎藤は先発登板は3試合。ポストシーズンは登板機会なし。能力を買っていても簡単にチャンスは与えていない。「(斎藤に)話をしようと思っている」と、時機を見て膝を突き合わせて方向性を共有するつもりでもいる。来季は「18」から「1」に背番号が変わる斎藤に「頑張ってくれると思います」。先発ローテはライバルが多い。厳しい争いだが、立ち向かう姿に斎藤の真価を問う。【木下大輔】