中日の開幕投手候補にラウル・バルデス投手(39)が9日、浮上した。31日の開幕戦で対戦する巨人には昨年5試合に先発して防御率1・78と抜群の相性を誇る。40歳シーズンの外国人投手が開幕投手を務めれば球界史上初。来日3年目の左腕は「体は100%。あとは長いイニングを投げていく」と早くも準備OK。12日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に先発する。

 開幕に向けた動きが出てきた。森監督が「投手の中心」と指名した吉見が、14日からの西武2連戦に回ることが判明し、開幕投手の可能性が低くなった。一方昨年の開幕投手で今年も立候補している大野は、11日のソフトバンク戦(同)に先発予定。依然、有力候補に残っており、普通に考えれば大野で決まりだ。

 以前に森監督は「俺の性格を見ていたら分かる」と“変化球”も示唆していた。前例がある。外国人投手の大役は11年のネルソンが最後。森監督は当時、ヘッドコーチとして投手起用を仕切っていた。開幕候補が複数いた中、横浜との相性や、当時の落合監督が開幕戦だけを特別視しなかった方針もあり、助っ人を指名した。

 指揮官は「相手を見たら何人かに絞れてくるんじゃないか」とも話している。バルデスは2カード目の広島にも強い。2年間で8試合に先発し4勝2敗、防御率1・90。今年40歳になるが中4日登板を得意としている。15年は5勝、昨年は6勝と飛び抜けた実績はないが、先発のコマが十分でない現状、現実的なチョイスともいえる。

 バルデスは7日の2軍ソフトバンク戦で5回無失点と好投。この日、監督と話す場面もあったが「重要な話じゃないよ。正直、いつ投げるか全然分かっていない」とニッコリ。森監督の決断から目が離せない。

 ▼中日の外国人開幕投手の最年長は、92年郭源治の35歳5カ月。日本人も含めた球団最年長は、14年川上憲伸の38歳9カ月。また、外国人開幕投手のプロ野球最年長は、10年ランドルフ(横浜)の35歳10カ月。今季開幕の3月31日時点で39歳4カ月のバルデスが開幕投手となれば、これらを全て更新する。プロ野球最年長の開幕投手は、98年大野豊(広島)の42歳7カ月。