巨人が「新旧主将」の活躍で連敗を5で止めた。現主将の坂本勇人内野手(28)が5打数4安打で今季初の猛打賞。旧主将の阿部慎之助内野手(38)が2安打1打点で打線を力強くけん引した。負ければ今季初の借金生活となる危機を生え抜きの主力が救った。チームも今季最多の2ケタ12安打をマーク。負の連鎖を断ち切り、再浮上への1勝をもぎ取った。

 意地を込めた。坂本勇が両腕を目いっぱい伸ばした。2点リードの7回1死二、三塁。中日祖父江の外角ボールゾーンに沈むフォークをバットの先で捉えた。右前にしぶとく落とし、今季自身初の4安打目で貴重な追加点をマーク。なおも一、三塁から、阿部が内角直球を右前へはじき返しリードを広げた。坂本勇は「今日は投打がかみ合った。1つ勝つのが大変だと連敗中にみんな感じたと思う。1試合1試合を大事にやっていきたい」と久々の快勝に胸をなで下ろした。

 高いレベルを保ったままチームをけん引する主将を“先代”も強力援護した。開幕から4番に座る阿部は、この日を含め6試合連続安打で開幕から13試合連続出塁。07年から8年間、主将を張ってきたベテランは後輩の坂本勇に「実績もある。自分が思うようにやればいい。俺はいつでもサポートする。勇人には、主将として優勝を経験させたい」。がっちりタッグを組んで頂点に押し上げると約束した。