金本監督 その前の(井領の)プレーがあって消極的になって、ああいう追い方になったんだと思うけど。上本は脚力もあるんだしね。ちょっと引きずったようなプレーに見えた。そこをどんどん攻めていかないとね。

 ただ単にミスを責めたわけではない。指揮官は開幕直後、上本のミスをした後に取り返そうとする反発力を評価したことがある。今回も悔しさを引きずらず、力に変えてほしかったのだろう。紡ぎ出したコメントの1つ1つに、そんな思いが詰まっていた。

 ここまでチームはリーグワーストの16失策を喫している。前日19日は三塁鳥谷のサヨナラ失策で敗戦。この日はエラーこそ記録されなかったが、守りで防げた失点が重くのしかかっての2連敗だ。下位に沈む中日3連戦に1勝2敗。開幕広島3連戦以来となるカード負け越しを食らい、今日21日からは1ゲーム差で追う2位巨人と敵地3連戦を戦う。

 切り替えが大事になる-。そんな問いかけに金本監督は「もちろん」と力を込め、ナゴヤドームを後にした。流れが良くないタイミングだからこそ、攻め続ける心がカギを握る。伝統の一戦、虎の反発力が試される。【佐井陽介】